ぼっこが伝えたいことーー変わる場所から、還る場所へ

先日50歳になった。
これまでを振り返ると、
いつも「自分を変えたい」と
思い続けてきたように思う。

子どもの頃から人前に出るのが苦手で、
自分から発言することもできなかった。
「もっと積極的になりたい」
「もっと目立ちたい」
「もっと立派な人間になりたい」
と、いつも今の自分ではない
理想の自分を追いかけていたように思う。

高校1年のとき、『はじめの一歩』に出会った。
「プロボクサーになれば変われる」
「チャンピオンになれば理想の自分になれる」
そう信じてボクシングを始めた。
そして実際にプロボクサーになり、
日本チャンピオンにもなった。

でも、どれだけ肩書きや実績が加わっても、
杉田竜平は杉田竜平のままで、
本質は何も変わっていないことに気付いた。

僕は現役時代から、師である畑中清詞会長に
「竜平は、ぼっこや!」
と言われ続けてきた。
ずっと嫌だったこの言葉を、今年5月、
がんで余命宣告を受けた人が書いた
文章(note)を読んだことをきっかけに、
「俺は、ぼっこでいいんだ」
と、思えるようになった。
以来、気持ちが楽になった。

「ぼっこでいい」というのは、
「どうせ俺なんてダメ人間だ」と、
自己否定することではなく、
できない自分も、弱い自分も、ショボい自分も、
「俺ってこんなもんだよな」と、
ありのままを認めること。
今の自分を受け入れる、自己受容だ。

この50年、
「もっと頑張らなければ」
「もっと成長しなければ」
と、ずっと自分を追い立ててきた。
でも、何者かになろうとする前に、
まず、今ここにいる自分を受け入れること。
その大切さにようやく気付けた。

杉田ボクシングジムも、
強くなるとか、痩せるとか、
「自分を変える場所」
だけにはしたくない。

それよりも、素の自分、
本来の自分に戻ることのできる場所、
「自分に還る場所」
そんなジムでありたい。
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※5月25日投稿、『吾輩はぼっこである』の画像はAIが生成したもので、実在する書籍ではありません。