杉田竜平、酔っ払いに絡まれる…
8月に行われた『長良川花火大会』。たくさんの人で賑わい、杉田ジムの近くでも多くの観覧客が行き交っていました。
ジムはその日も営業していて、打ち上げ場所がすぐ近くだったので、練習の合間に窓からも花火が見えました。ちょうど花火大会が終わる頃にジムも営業終了。帰るときには、浴衣姿や家族連れが大勢歩いていて、まさに夏の風物詩という光景でした。
自宅に帰る道中、信号待ちをしていたとき、一人の酔っ払いがコンビニの駐車禁止用のチェーンやポールを蹴散らかしていました。僕は車の中から「悪い奴がおるなぁ…」と静かに見ていましたが、ふいにその男が窓越しにこちらを睨みつけ「なに見とんじゃ!」と怒鳴ってきました。

それでも僕は目を逸らさずに見続けました。幸い、そばにいた彼女らしき女性が引き留めに入って何事もありませんでしたが、仮に車を蹴ったり傷付けられたら、僕は外へ出て弁償するよう言っていたでしょう。もちろんこちらから手を出すようなことはしません。
こういう場面でも冷静でいられるのは、ボクシングをやってきたお陰だと思います。ボクシングは「殴る・倒す」というイメージを持たれがちですが、本質は違います。自分の身を守る術でもあります。
杉田ジムでは、トレーナーとの一対一の練習では、ミット打ちだけでなく、ディフェンス練習も取り入れています。攻撃するだけでなく「避けること」にも喜びや愉しさがあることを体感してほしいとの想いからです。
いざというときに自分や大切な人を守ることごできる。それがボクシングの大きな価値の一つでもあります。