【闘竜門2026】試合後の勝敗
昨日(1/18)行われた杉田ジム主催スパーリング大会
『闘竜門ファイト2026』は、大盛況のうちに終わった。

試合には、勝った選手もいれば、負けた選手もいる。
でも正直に言えば、試合結果そのものより、
今回、一番心に残ったのは試合の“あと”だった。
大会終了後、
会場の後片付けを手伝って帰る選手がいた。
一方で、挨拶をして、
それぞれのタイミングで会場を後にする選手もいた。
どちらが正しいとか悪いという話ではない。
ただ、この差は想像以上に大きいと感じた。
試合が終わった瞬間、
拍手も、評価も、勝敗も、すべてが終わる。
誰も見ていない時間が始まる。
そのとき、どう振る舞うか。
そこに、その選手の「在り方」が、そのまま表れる。
後片付けを手伝う選手には、
自分が「やらせてもらった側」だという感覚がある。
場に対する感謝がある。
これは、技術の話でも才能の話でもない。
運の話。
挨拶をして帰ること自体は、もちろん悪いことではない。
ただ、そこでもう一歩、
その場に関わるかどうか。
その違いが、大切なチャンスを分けていくのだと思う。
今回、ゲストとして来てくださった
書家・茂住青邨先生の所作を見て、
この感覚が、はっきりと腑に落ちた。
先生は、書を書き終えたあと、
紙に残った余分な墨を、必ず布で拭き取る。
理由を聞くと、こう言われた。
「墨が垂れてしまうのが嫌なんです。
人に見せるものですから」

文字はすでに完成している。
それでも、紙に残った余分な墨をそのままにはしない。
見えないところまで整える。
それが、作品を人に差し出すということなのだと思う。
試合も同じではないだろうか。
リングの上で拳を交えた瞬間が
「書いた文字」だとしたら、
試合後の振る舞いは、
紙に残った余分な墨を拭き取る所作。
後片付けをするという行為はただの手伝いではない。
自分の中に残った余分なものを整える行為。
それが次に繋がる。
ボクシングは人に見せるものだ。
試合だけでなく、
その後の立ち居振る舞いも含めて。
だからこそ、試合が終わったあとに、
その人の本当の勝敗、本性が見えてくる。
リングを降りてから、
何を残し、何を拭き取って帰るのか。
本当に考えさせられる光景だった。
このことに気付けたことは、
僕にとっては大きな財産だった。

