「プロ向き」「アマ向き」の本質とは?
「プロ向き」「アマチュア向き」──
この言葉を耳にすることがありますが、これって単にスタイルや実力の話ではなく、もっと根本的な姿勢や向き合い方、在り方の違いではないかと思います。
たとえば、プロボクサーは自分で練習メニューを考えることができます。今日はどんな練習をするか、自分に今足りないものは何か、自分自身で判断し組み立てていく力が求められます。
対してアマチュアは、監督やコーチの指示通りに動くのが基本。もちろんその中で成長もしますが、自己判断や自己管理という意味ではプロのほうが自由で、その分だけ責任も大きくなります。
また、プロは自分のスタイルで戦うことができます。自分の個性をどう活かすか、自分にしかできないボクシングをどう表現するか。それを自分で選ぶことができるのがプロの世界。
一方アマチュアは、勝つために型を重視し、チームの方針に合わせることが求められることも少なくありません。
プロは、強くなるかどうかも「自分次第」。いいトレーナーがいても、それをどう活かすかは本人次第。逆にアマチュアは、良い指導者に恵まれなければ伸びません。
分かりやすいたとえを出すなら、プロは「個人事業主」、アマチュアは「会社員」のようなものだと思います。
個人事業主は、仕事の内容も進め方もすべて自分で決められる反面、うまくいかなかったときの責任もすべて自分に返ってきます。
一方、会社員は決められた枠組みの中で役割を果たせばよく、守られている安心感がある一方で、自由度は低くなります。
プロとアマの違いも、これにとてもよく似ています。
だから、「プロ向き」「アマ向き」の本当の違いは、スタイルではなく在り方。
自分の人生を、自分で選び取っていく覚悟があるかどうか。自由を引き受ける力があるかどうかなのかもしれません。
自分で練習できるのがプロ。言われなければ動けないのがアマチュア。
自由にはリスクがつきものですが、そのリスクを含めて、すべてを自分の責任として引き受ける。 それが、プロとして生きるということなのかもしれません。
